AmazonさんのFireタブレットで第13世代となる『Fire Max 11 タブレット』が2023年6月14日に発売されました。
そこで私が実際に使ってみて感じた注目ポイントやFire HD 10 Plusとの比較などをご紹介します。
Fire HD 10 Plus タブレットとの比較
実質的な前モデルとなる『Fire HD 10 Plus タブレット 2021年モデル』と比較するため、Amazonさんの比較表や仕様表をまとめ直したのが下の表です。
これだけではわかりにくいため、これをベースに私が気になる注目ポイントを実機レビューと併せてご紹介します。
Fire Max 11 2023年モデル |
Fire HD 10 Plus 2021年モデル |
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世代 | 第13世代 | 第11世代 |
参考価格 | 34,980円 (64GB) 39,980円 (128GB) |
22,980円 (32GB) 26,980円 (64GB) |
画面サイズ | 11インチ | 10.1インチ |
解像度 | 2000 x 1200 | 1920 x 1200 |
本体サイズ | 259 x 164 x 7.5mm | 247 x 166 x 9.2mm |
重量 | 490g | 468g |
初期OS | Fire OS 8 | Fire OS 7 |
ABI | 32bit/64bit | |
SOC | Mediatek MT8188J | MediaTek MT8183 | CPU | 2x ARM Cortex-A78 2.2GHz、 6x ARM Cortex-A55 2GHz |
4x ARM Cortex-A73 2GHz、 4x ARM Cortex-A53 2GHz |
GPU | ARM Mali-G57 MC2 GPU | ARM Mali-G72 MP3 GPU |
RAM | 4GB | |
内部ストレージ | 64GB / 128GB | 32GB / 64GB |
microSDカード | 1TBまで対応 | |
バッテリー | 最大14時間 | 最大12時間 |
充電時間 | 約4.2時間 | 約4時間 |
ワイヤレス充電 | 非対応 | 対応 |
指紋認証 | 対応 | 非対応 |
USBポート | USB Type-C (USB2.0) | |
オーディオ | Dolby Atmos デュアルステレオスピーカー、 USB-Cオーディオ、 2x マイク |
Dolby Atmos デュアルステレオスピーカー、 3.5mmステレオジャック、 2x マイク |
カメラ | フロント : 8メガピクセル、 リア : 8メガピクセル (オートフォーカス)、 HD1080p動画撮影対応 |
フロント : 2メガピクセル、 リア : 5メガピクセル、 HD720p動画撮影対応 |
Wi-Fi | デュアルバンド 802.11a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi 6) |
デュアルバンド 802.11a/b/g/n/ac (Wi-Fi 5) |
Bluetooth | 5.3 BLE | 5.0 LE |
位置情報 サービス |
Wi-Fiベース (GPS非搭載) | |
Alexa | ハンズフリー、Showモード対応 | |
保証期間 | 1年間 | |
同封内容 | Fire Max 11本体、 USB-C(2.0)ケーブル、 9W 電源アダプタ、 SDカード取り出しピン、 スタートガイド |
Fire HD 10 Plus本体、 USB-C(2.0)ケーブル、 9W 電源アダプタ、 スタートガイド |
Fire Max 11の注目ポイント
アルミニウムボディ
今回1番の注目ポイントは何と言ってもアルミニウムボディの採用です。
私はプラスチックボディも嫌いではなかったのですが、やはり質感が段違いで良くなりました。
落下テストでの耐久性はApple iPad 10.9(第10世代)の3倍もあるようですし、実用面でのメリットも大きいですね。
またリアカメラのオートフォーカス対応や3.5mmステレオジャックの廃止など、旧世代タブレットからの脱却を強く感じます。
目にやさしい高解像度ディスプレイ
画面サイズはFire HD 10 Plusの10.1インチ(1920×1200)から11インチ(2000×1200)になりました。
0.9インチは小さな差に思えますが、実際に手に取ると画面の大きさを実感します。
またTÜV Rheinlandさんの認証を取得済みでブルーライトも低減してくれます。
私は眼病を患っているので、目にやさしいのはうれしいですね。
商品ページに記載はありませんが、高画質と呼ばれるHD画質以上で動画配信サービスを視聴するのに必要な「Widevine L1」にも対応しています。
指紋センサー
初搭載の指紋センサーですが、これ、メチャメチャ便利です。
お外に持ち出す持ち出さないにかかわらず、我が家はすべてのタブレットにパスワードを設定していますが、やはりロック解除の操作は面倒です。
その点、指紋センサーは触れるだけですから、これがあるのとないのとでは雲泥の差ですね。
純正スタイラスペン
ついにFireタブレットにも純正の『スタイラスペン』がラインアップです。
旧モデルのFireタブレットも対応はしていたのですが、お世辞にも使い勝手が良いとは言えませんでした。
ですが今回の純正スタイラスペンはUSI 2.0対応のため「筆圧感知:4096段階」や「傾き検知:±45度」など使い勝手の向上が期待できます。
実際にいくつかのアプリで試してみましたが、なかなか良い感じですね。
なおFire Max 11のディスプレイは映り込みが強く、ペン先も滑る感じなので、スタイラスペンを使い込みたい方はペーパータイプの保護フィルムの併用がオススメです。
純正キーボード付きカバー
Fire HD 10に続き純正の『キーボード付きカバー』がラインアップです。
ジェスチャー対応のトラックパッド付き日本語配列キーボードはマグネット式で簡単に脱着でき、接続ピンを通して電源が供給されるため充電は不要です。
マグネット式のバックカバーもキックスタンドをお好みの角度に調整できて便利です。
タブレットとカバーの合計重量が約900gとFire HD 10に比べて約200gも軽くなっているのも良い感じですね。
上級者向け補足
初期OSはAndroid 11ベースの「Fire OS 8」、ABIは「32bit/64bit」です。
Fire OS 8.3.1.4以降、Google Playに関しては特にAmazonアカウント関連でいろいろと問題があるため、少し凝った使い方をされたい場合は気を付けてください。
もう1点、Fire Max 11にはそっくりな製品があるそうで、そのリカバリーイメージは入手できるようです。
と言うことは・・・・・・?
Fire Max 11の評価
完成度と満足度は非常に高い
Fireタブレットのコンセプトが「Amazonサービスを快適に使う」だとすると、Fire Max 11の完成度は高すぎます。
きれいで大きなディスプレイ、軽快な動作など、Amazonさんの各種サービスに使うだけではもったいないレベルです。
たしかに旧モデルに比べて割高に思える価格設定には私も疑問を持ちましたし購入をためらいました。
ですが一度手に取ってしまえばこれまでの最上位モデルのFire HD 10 Plusですら使う気にならないほど、Fire Max 11は満足度も高いです。
ライバルはiPadではなくChromebook
Fire Max 11の商品ページや仕様を眺めていると「あれ?どこかで見たことがある」という思いがわきました。
はじめはiPadかな?と考えましたが、違います、これChromebookです。
以前、姪っ子の授業用Chromebook選びをお手伝いしたのですが、その時メモした必須項目の多くを満たしているのがまさにFire Max 11なんです。
事実、下記リンク先のマイナビニュースさんの記事でアマゾンジャパン担当者さんが語っていますが、想定している用途はChromebookと重なる点が多そうです。
「色々なことに使う」には足りない要素が多い
アマゾンジャパン担当者さんの言葉を借りると、Fire Max 11の新しいコンセプトは「(Amazonサービス以外にも)色々なことに使ってもらう」ですが、そのためには足りない要素がたくさんあります。
例えばアプリ。
せっかくスタイラスペンを用意したのに、使い道として提示できるアプリが現状では『Picsart Photo & Video Editor』くらいしかありません。
例えば教育用途での使用。
Googleさんの各種サービス、特にGoogle Classroomに正式対応するか、ちゃんと動作するブラウザアプリを用意しない限り教育用途ではChromebookに太刀打ちできません。
いずれも以前からFireタブレットの短所とされ、いまだに解決の兆しが見えません。
Fire Max 11の完成度が高いだけに、Amazonさんにはがんばっていただきたいですね。
まとめ
待望のFireタブレット新モデル『Fire Max 11 タブレット』が発売されました。
純正アクセサリに『キーボード付きカバー』と『スタイラスペン』をラインアップするなど、「Amazonサービス以外にも使えるよ!」という思いが強く表れていますね。
果してiPadやChromebookの牙城を崩すことはできるでしょうか?
製品自体の完成度が非常に高く、私は購入して本当に良かったです。