Fireタブレットをいろいろとカスタマイズできる「Fire Toolbox」は、アレやコレやの検証を行う際に私も活用させていただいています。
ここ最近「Fire ToolboxでFire 7 タブレット 2022年モデルにGoogle Playがインストールできるようになったのは本当ですか?」というご質問を立て続けにいただいたため、今回はこの話題をご紹介します。
Fire Toolboxで2022年モデルにGoogle Playはインストールできる?
皆さまのご質問「Fire Toolboxで、Fire OS 8搭載のFire 7 タブレット 2022年モデルにGoogle Playがインストールできますか?」ですが、答えは「はい」です。
といいますか、4つのAPKファイルを用いた従来の方法でもGoogle Playのインストールはできます。
できますが問題が多すぎて実用に耐えないため、インストールはオススメできません。
どうして2022年モデルでGoogle Playは動かないの?
どの様な状態を「Google Playが動かない」とするかは判断が分かれますが、私の7月1日付けの記事に掲載させていただいた情報や、Fire Toolboxの開発者さんも言及しています通り、主たる原因とされているのは、Fire OSに実装されている「Google Play開発者サービスの変種」と「Googleサービスフレームワークの変種」の存在です(Fire OS 8自体がAndroid 11の変種ですが便宜的にこう呼びます)。
2022年モデルに搭載のFire OS 8からは、この「変種」が「正規のGoogle Play開発者サービス」と「正規のGoogleサービスフレームワーク」の動作に影響を及ぼすため、Play ストアが動きません。
これ自体は2022年モデルを解析された方からの情報ですぐに判明したのですが、それなりに動くようにはできても根本的な問題の解決には至りませんでした。
ちなみに、この問題はFire ToolboxでGoogle Playをインストールしても解決できません。
Fire Toolboxのフォーラムでも代わりにAuroraを使うように勧めていますね。
これとは別に、個別のアプリがインストールできない・動かない問題もありますが、これはGoogleさんの端末認証ではじかれていたり、Fireタブレットがアプリの要件を満たしていないだけなので、2022年モデルに限った話ではありません。
どうすれば2022年モデルでGoogle Playは動くようになるの?
Fire OSに実装されている「変種」を動かなくする(これが少し前まで試していた方法です)、もしくは「変種」の影響を受けない「Google Play開発者サービス」と「Googleサービスフレームワーク」を用意できれば、Google Playは動くと思われます。
この辺りを完全に解決するのは難しいと思いますが、チャットされた方によりますと、開発者さんはFire 7 タブレット 2022年モデル実機をまだお持ちではないようなので、入手されてからの進展に期待ですね。
これとは別に、Fire OS 7から続くGoogleアカウントマネージャーの実装不備の問題もあるのですが、これは無視する判断のようです。
ですが、さすがにAmazonさんも気付いているようで、別の記事でご紹介しました通り、Fireタブレット向け標準アプリの提供をOTAのみに制限し、Fire OS 7の旧バージョンやOTA以外でインストールしたショッピングアプリでは、Amazonショッピングサイトへアクセスできないよう制限しました。
この制限は他のアプリにも広がっていまして、Fire Toolboxのフォーラムでは、Fireタブレット実機から用意した旧バージョンのAPKファイルを配布することで対応していますが、さすがにこれを使うのは怖いですね。
そうなんです、Amazonさんが使い方を制限している対象は2022年モデルだけでなく、旧モデルも含まれているのです。
Google Playが動かなくなったのは、誰の所為?
「FireタブレットでGoogle Playが動かなくなったのは、誰の所為だと思いますか?」もよくお問い合わせをいただきます。
「変種」はAmazonさんが実装していますから、意図は別にして、Amazonさんの所為だと思います。
「端末認証」はFireタブレットだけに向けた制限ではありませんが、Googleさんの所為だと思います。
「アプリ・アクセス制限」は制限の仕方をみても意図は明確ですから、Amazonさんの所為だと思います。
それではFireタブレットでGoogle Playが動かなくなったのは、Amazonさんの所為でしょうか?それともGoogleさんの所為でしょうか?
AmazonさんもGoogleさんも、それぞれの思惑があるでしょうが、皆さんは、どう思いますか?
まとめ
「Fire Toolbox」のV29.0は私も使ってみましたが、Fire OS 7関連の対応がすばらしいですね、開発者の方には頭が下がります。
日本版のFireタブレットでは恩恵はありませんが、広告アプリの回避方法は面白いですね。
ですが、Fire OS 8搭載の2022年モデルに関しては、対応したというには微妙な感じです。
試してみましたが、Google Playは別にしても、Fireタブレットでは難しいバックアップ・リストア機能がもう少しちゃんと動くとうれしいです。
普段からアプリ開発などをされている方は別にして、パソコン経由でFireタブレットを操作するFire Toolboxは少し敷居が高いですが、便利なことは間違いないので、興味のある方は試してみてください。