Amazonさんは2024年8月1日(木)より『Echo Show 8 第3世代』を日本国内で販売開始しました。
米国では2023年9月20日に発表、10月25日に出荷開始済みのモデルのため、製品の特長についてはAmazonさんのリリースだけでなく、たくさんのレビューも見つかります。
そこで少し違った観点から、このモデルが日本で発売された意味を考えてみたよ、という話題をご紹介します。
独自OS搭載とされる「Echo Show 5 第3世代」
2023年発売の『Echo Show 5 第3世代』は一部の界隈で話題になりました。
といいますのも(少なくとも米国販売の)このモデルには、これまでのモデルのようなAndroidベースのOSではなく、通称「Vega」と呼ばれる独自OSを採用していることが確認されたためです。
ただしこれには様々な説がありまして、解析情報でもLinuxベースのOSという程度しか判明しておらず、独自OSであるかの真偽は不明のようです。
独自OS非搭載とされる「Echo Show 8 第3世代」
まさに謎のOS扱いとなっている「Vega」ですが、今回日本発売となったEcho Show 8 第3世代には(今のところ)非搭載のようです。
そもそもAmazonさん公式では『Alexa端末』のソフトウェアバージョンにOS名表記をやめているのと、Alexa端末自体がニッチな方面での活用が少ないため、今後は独自OS搭載が判明した当初ほどの盛り上がりを期待できそうにありません。
特に日本では著作権法絡みで、この手の解析が難しいのも残念ですね。
- 公式Alexa端末のソフトウェアバージョン – Amazonカスタマーサービス
- 参考Amazon Echo Show 8 (2023) vs. Google Nest Hub (2021): Android Police?
Fireタブレットへの独自OS搭載の可能性は?
下記リンク先の元開発者さんの記事によりますと『Fire TVシリーズ』のFire OSから独自OSへの切り替えは既定路線のようですが、気になるのは『Fireタブレット』への独自OS搭載ですよね?
前述のようなAlexa端末の状況を考えると、私はFireタブレットへの独自OS搭載は難しいように思います。
パナソニックさんが自社テレビへのFire TV搭載を発表したのは個人的に衝撃を受けましたが、Fire TVの独自OS化の流れが既定路線だとすると不思議ではありません。
ですがFireタブレットの場合、多方面への展開がこれ以上できるとも思えないため、多大なコストをかけてまで独自OSを搭載するメリットが思い浮かびません。
また、Fire OS 8での施策により「Amazonサービスを快適に利用するための端末化」が旨く進んだ現状で、独自OSを搭載する意義を見いだせないのも理由です。
- 参考Amazon job listing confirms that Fire TV is dropping Android-based Fire OS | AFTVnews
- 参考パナソニック、Amazonと提携。テレビを「Fire TVベース」に。録画機能などはパナが実装 – AV Watch
まとめ
今回は製品ではなく搭載されているOSにフォーカスしたお話しをご紹介しました。
『Alexa端末』と『Fire TVシリーズ』の独自OSへの切り替えは今後も進みそうです。
一方、Amazonブランドの信頼感とお手ごろ価格で一定の地位を築いた『Fireタブレット』は、タブレット端末選びが「iPadか、それ以外か」の現状で、これ以上の躍進はなかなか難しいように思います。
Fire TV用OSを低コストで転用できる可能性もありますが、Fireタブレットに今それが必要だとも思えません。
そんなことに力を入れるよりも『Amazon Android アプリストア』でFireタブレット用のTVerアプリを配布する方が、確実に売上げを伸せると思いますよ。
どうでしょうか、Amazonさん。