第9世代となる『Fire HD 10 タブレット』と『Fire HD 10 キッズモデル』が2019年10月30日に発売されました。
RAM容量が2GB据え置きなのは少し残念ですが、旧モデルに比べて動作は軽快で、最高のモデルチェンジを遂げた印象です。
そんな前途洋洋な新モデルにあっても、Fireタブレットの歴史に影を落す「microSDカード問題」は解決できていないかも?という話題をご紹介します。
はじまりはFire OS 6
FireタブレットとmicroSDカードの暗い関係は、2018年10月発売の『Fire HD 8(第8世代)』に搭載された「Fire OS 6」からはじまります。
このOSからmicroSDカードの使い方を2種類から選べるようになり、従来と同じように取り外してパソコンなどで読み込むことができる使い方を「外部ストレージ」、Fireタブレットの本体ストレージと同じように管理される新たな使い方を「内部ストレージ」とされました。
当初、この内部ストレージという新たな使い方は、大容量microSDカードの価格下落(本当にお安くなりましたよね~)と併せて、本体のストレージ容量が少なめのFireタブレットにとって救世主になるのではないかと期待され、Amazonさんもフォーマットの選択時に「推奨」と表記するほどの推し具合でしたが、蓋を開けると不具合が多発したため真逆の結果となってしまいました。
小さな(?)不具合に関してはリンク先の記事でご紹介していますが、そちらでは紹介していない知る人ぞ知る「内部ストレージに設定したmicroSDカードを挿したままFireタブレットを初期化すると復元が完了しない」という不具合まであります(ただですね、Amazonさんのカスタマーサービスでは初期化の際にmicroSDカードを取り外せと指示されるので、これをAmazonさんの責任とするのは微妙な感じではあるのですが・・・・・・)。
Fire OS 7でも「内部ストレージ」は安定しない
さすがにAmazonさんも思うところがあったのか、Fire OS 7ではmicroSDカードのフォーマット選択時に「推奨」の表記はなくなりましたが、依然として「内部ストレージ(タブレットのストレージ)」が標準の選択肢になっています。
こうなると不具合も解消しているかと期待したのですが、記事投稿時点の最新版Fire OSでもコンテンツの複数ダウンロードで失敗するなど、残念ながら動作が不安定になることがあるようです。
さらに今回からは、フォーマット後に「ストレージデバイスのパフォーマンス低下」という、microSDカードの速度不足が原因かしら?と思うようなメッセージがでることがあるのですが、同じカードをフォーマットしてもメッセージがでなかったり、アプリの実行に適しているとされるA1対応のカードでもメッセージがでることがあったりと、原因がよくわからない不安要素が追加されてしまいました。
なお、「内部ストレージに設定したmicroSDカードを挿したままFireタブレットを初期化」を2度ほど試してみたところ、microSDカードは認識されなくなりますが(これは正常です)、復元に失敗することがなかったのは朗報です(xdaさんで公開されている「Amazon Fire Toolbox」がFire OS 7に対応したため、復元に失敗しても何とかなりそうですが)。
まとめ
『Fire HD 10 タブレット』と『Fire HD 10 キッズモデル』は、Amazonさんが想定している使い方(つまりGoogle Play以外)であれば明らかに動作は軽快になっているため好評価のはずが、「内部ストレージ」設定したmicroSDカードの不安定さが原因で評価が厳しくなっている印象です。
一部制限はありますが「外部ストレージ」でも容量を圧迫しそうな動画やKindle本などは保存できるため、内部ストレージを積極的に選択する理由はないのですから、説明不足感が否めません(ストレージやmicroSDカードに関するAmazonさんのヘルプページが軒並み削除されましたし・・・・・・)。
あとですね、「内部ストレージ設定したmicroSDカードに保存されたデータも、同じFireタブレットであれば初期化後にそのまま使える」との説明をされている方もいらっしゃいますが、Amazonさんのカスタマーサービスから「それは無理」との回答をいただいてますし、私も動作しないのを確認しているので注意してください。