旅行のお供の8インチ タブレットが不調に見舞われ、モバイルデータ通信に対応したタブレットをAmazonさんで探していました。
そんな中、お手ごろ価格のこれやこれが良さそうだったのですが、レビューを読むと技適マークについて不穏な指摘が。
そこで技適マークについて調べたところ気になる点が多かったため、お世話になっている識者の方々のお知恵を拝借してまとめたのでご紹介します。
技適マークとは
「技適マーク(Technical Conformity Mark)」についての詳しい説明は下記リンク先を参照いただくとして、簡単に言いますと「このマークがない通信機器は日本で使っちゃダメ!」なんです。
また技適マークは単にマークの表示だけでなく、技術基準適合を証明する「番号」の併記も必要で、この番号から認証を受けた種別なども検索できます。
「電波法」に基づく罰則もしっかり用意されていて、違反すると「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」の対象になります。
海外からの直輸入品などは技適マークが正しく表示されていない機器もありますが、重い罰則が待ち構えているので気を付けてくださいね。
2種類の番号
技適マークに併記が必要な番号は「R番号」と「T番号」の2種類あります。
1つ目は四角に囲まれたRからはじまる「技術基準適合証明」の番号です。
技術基準適合証明は電波法に基づく認証のため、未認証の機器の日本国内での使用は前述の罰則の対象になります。
この番号はスマホやWi-Fiルーター、Bluetooth機器など電波を発する機器には必ず必要です。
2つ目は四角に囲まれたTからはじまる「技術基準適合認定」の番号です。
技術基準適合認定は電波法ではなく「電気通信事業法」に基づく認定制度のため、未認定の機器を使用しても違法ではありません。
この番号はスマホ以外にも固定電話やFAXなど電気通信事業者の設備に接続する機器に必要です。
R番号はあるがT番号がない場合
技適マークにR番号(技術基準適合証明)が併記されていない機器の使用は違法ですが、T番号(技術基準適合認定)がない機器の使用は違法ではありません。
ですが多くの通信事業者さんは約款などで自社のネットワークサービスに接続する機器に技術基準適合認定を受けていることを義務づけています。
つまりT番号のない機器で許可なく接続すると契約違反になる可能性があります。
そういえば最近はタブレットでもLTE対応をうたう製品が増えていますよね?
先にご紹介したこれとかこれも4G LTE対応をうたっていて、レビューで日本の通信事業者さんのSIMで通信できたと報告されています。
一方で技適マークにT番号の併記がないと指摘するレビューもあります。
あれ?これって大丈夫なんでしょうか?
- 5Gサービス契約約款 – NTTドコモ
- 隔世の感 – Amazon カスタマーレビュー
- TELEC認証番号がない不合格製品 – Amazon カスタマーレビュー
- LTE技適未取得のためSIMによる通信は電波法に違反する疑いがあります。 – Amazon カスタマーレビュー
- 合格 – Amazon カスタマーレビュー
- 背面のステッカーが斜め右寄り – Amazon カスタマーレビュー
技適未取得機器を用いた実験等の特例制度はWi-FiやBluetoothが対象
技適マークのない機器を日本国内で大手を振って使う方法として「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」というものがあります。
短期間の実験などを目的に届け出することで技適マークのない機器を使用できる制度で、海外直輸入品のレビュー記事などで届け出をした旨を説明されていますね。
ですがこの制度、どうやら「Wi-FiやBluetoothの一部の帯域のみが対象」のようで、「携帯電話事業者が提供するLTE、4G、5Gなどは対象ではない」ようです。
あれ?特例制度の届け出をしただけで「○○SIMで通信できました!」なんて説明されているのを見掛けた気がするのですが、気の所為でしょうか?
まとめ
旅行先に持っていくタブレット探しからだいぶ逸れましたが、技適マークについて非常に勉強になりました。
技適マークのない機器の使用が違法であることは知っていましたが、T番号のない機器の使用が通信事業者さんの契約違反になる可能性までは知りませんでした。
IoT機器に詳しい方々にも伺ったのですが概ね同じような見解だったので気を付けたいです。
知らず識らずに違反行為をしていたかと思うと怖いですね。
そんなわけで痛い出費ですが、今回は素直にAppleさんの『iPad mini Wi‑Fi + Cellularモデル』を追加購入することにしました~。